コンビニの新商品はこう開発されている!Food104転載

毎度長文で恐縮ですが、今週のFood104メルマガからの転載です。

この内情を書けるのは全国広しといえども、そうは多くはいないと思います。

あらゆる業態のメニュー開発の参考になると思います。

『vol.27 コンビニの新商品はこう開発されている!』

 前回はコンビニ各チェーンの、売上や店舗数の推移をご紹介しま

した。次に注目したいのは、各社の通期決算です。セブンアイ、

ユニー・ファミマ、ローソン、ミニストップ、ポプラ、スリーエフ

の上場コンビニは全社、小売業に多い2月決算です。日本企業の

大半が3月決算であるのに対し、何故小売企業に2月末決算が多い

のかご存知でしょうか。一般的によく言われるのが、ニッパチ

(2月・8月)はヒマな時期であるという理由です。特に2月は

日数も少なく、年末年始の出費がかさんだ翌月で、さらに最も寒さ

が厳しい季節で、消費者の財布の紐もきつく締まります。年度末の

最終棚卸金額も通常月より少なめになりますし、棚卸業務そのもの

や、伝票締めなどの業務負荷などからヒマな時期に決算するのは、

自然な流れです。4月中旬には各社決算も出揃うと思いますので、

またその時期に取り上げたいと思います。

 さて今回のテーマはコンビニが54000店を越えるまで発展

してきた商品面での原動力といっても過言ではない、おにぎりを

はじめとする、お弁当やサンドイッチやサラダなどのデイリー商品

(中食とも呼んだりします)の商品開発体制について紹介いたし

ます。以前に取り上げた海外生産が大半で冷凍で一年分でも作り

溜めできるカウンターファストフーズと違い、デイリー商品の多く

は消費期限が2日〜4日程度と短く、遠方までの輸送が困難な為、

全国各地にベンダーと呼ばれる外部工場に製造を委託する必要が

あります。このベンダー製造の仕組みがあるがゆえに、商品開発

体制はとても特殊な形態になっています。

 まずその特徴のひとつに協同組合の存在があります。コンビニ

ベンダーのなかにはメガベンダーと呼ばれ、おにぎりなら1日に

100万個(1個100g、原材料費50円として100トン、

5000万円!)の製造力を誇るベンダーもあります。株式上場

している、わらべや日洋(セブンベンダー・年商約2100億円)

やカネミ食品(サークルKサンクスベンダー・年商約900億円)

など大企業も多数ありますが、それでも1社だけではとても全国

はカバーはできません。複数のベンダーでエリア分けしつつも、

北海道から沖縄まで全国一律の規格・品質で商品供給する為に、

協同組合方式が最適であったのでしょう。

 協同組合には全国各地のベンダーから金銭的には組合費、人的

には出向者が集まり運営されています。組合本部は毎週行われる

メニュー会議(後述参照)の会場となる事が多く、コンビニ本

のすぐそばに設置するチェーンが多いです。

 組合の主な業務は、コンビニ本社や地方支社商品部のメニュー

開発担当者(MD・マーチャンダイザー)を頂点とし、ベンダー、

原材料メーカーを含む各メニューカテゴリごとの開発体制

(メニュー部会と呼ばれたりする)をとりまとめる「開発支援」、

各ベンダー間での商品のブレを最小にし、食中毒予防などの

「品質管理」、各商品からプールされ様々な対策費に拠出さる

「金銭管理」などがあります。前述のメニュー部会ですが、

某チェーンでは以下のように細分化されています。

 おにぎり、常温弁当、チルド弁当、寿司、デリカ、調理麺

(カップ麺や冷凍麺と区別する為の呼称)、調理パン(袋パンと

呼ばれる常温保管品と区別するチルドのサンドイッチなど)、

デザートなどにメニュー部会は分類され、それぞれに部会を統括

するMD(マーチャンダイザー)が配置されます。

 コンビニのMDとはどういう人物像でしょうか?

(これはあくまで筆者の経験による独断と偏見かもしれませんが、

おそらくコンビニ関係者なら妙に納得していただけるのではない

でしょうか)。大学卒業後、大手コンビニにチェーンに就職した

新入社員はほぼ例外なく最初は店舗勤務からサラリーマン人生を

スタートします。教育店などと呼ばれる直営店に配属され、

1〜2年の店舗勤務を経ると、まずはいきなり副店長資格を与え

られ、特に問題なければその後すぐに店長を経験し、数年後には

だいたいは、地区を統括するSV(スーパーバイザー)、セブン

の場合はOFC(オペレーションフィールドカウンセラー)に

昇格します。SVを勤め続け、実績を残したり、上司の目に

留まった人は、晴れて憧れの本社勤務に栄転しますが、その職種

の中でも特に人気なのが、本社商品部のMDです。

 自分の目や舌で信じた商品が全国発売され何百万人の人に

食され売上貢献できる職責は憧れの的です。早い人で20代後半、

平均でも30代前半〜中盤というのがMDの年齢層です。

 デザートに強いチェーンなどは女性MD比率も3割ぐらいで

高めですが、それでもいまだにMDは男性中心社会だと思います。

弊害としては、流通業の悪しき習慣で、一般よりも喫煙率が高い

という問題があります。食の商品開発に携わる責任者に喫煙者が

多いのはとても問題があり、味付けのこのみも濃くなりがちで、

コンビニメニューは塩分が多いといわれるゆえんです。

 こんなMDを中心に、多いチェーンでは1週間〜4週間ぐらい

の短期サイクルで、中食商品の改廃が行われます。メニュー部会

の商品開発会議も当然毎週開催で、52週MDカレンダーに

基づいた年間計画に沿って、だいたい半年〜3ヶ月前に開発が

スタートし、毎週の会議の中で、ひたすら試食、問題点抽出、

課題設定、改良改善が図られ、それがPDCAサイクルで一年中

ぐるぐる回っている感じです。

 これまた日本の流通の悪しき習慣ですが、本社勤務の人は基本

土日は休みなのですが、祝日は出勤日の企業が多いです。年中

無休で頑張っている店舗への配慮と思われますが、この休みの

少なさや、怒涛の商品開発サイクルなどのストレスから喫煙率の

高さに納得しないでもありません。

 上記以外にも、ベンダーの裏事情や、FC加盟店向けの新商品

展示会など、商品開発がらみのネタは数多くあるので、また

タイミングを見てお伝えしたいと思います。

3月13日時点筆者体重 67.8kg、前回比±0kg

肉離れはようやく完治。先週末もバドミントンの試合で動きも

戻ったが、やはり試合後の打ち上げのビールでチャラ・・・

※当コンビニレポートコーナー内で述べられているコメントについ

ては、各種データ、筆者の知見に基づき作成されていますが、その

全てが正確性、確実性を保証するものではありませんのでご了承

下さい。