【詩】ウタ

そういうものです

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「〜♪〜♪〜♪」

何処からともなく聴こえてくる名も知らないウタ

「-、---、----」

誰かに必死で想いを伝えようとするウタ

「     」

瞳を通して訴えかけてくるウタ

それは形のあるもの、ないもの

がむしゃらであったり、丁寧に丁寧に包装されたものであったり、自己中心的であったり

受け取ると、心が訳もなく暖かくなったり、ズキリと古い忘れていた傷痕をガサリと撫ぜたり、孤独を感じたり、孤独じゃないと感じたり

書かずにいられないウタ

書かなければいけないウタ

届けなければいけないモノ

届けられなかったモノ

もっと、もっと、もっともっと

古時計がボーンボーンと音を立てる

音が止むと、次に聴こえて来たのは、窓から入って来る風の音、木々を枝を木の葉を揺らす風の音

ぱたんと白紙のページを閉じて、手に持った筆記具とともにテーブルの上に置く

それが自分にとってのウタのカタチで、今日はカタチに出来なかったと言うコト

椅子から立ち上がり窓を開ける

吹き込んだ風が、こんどはテーブルの真ん中に置かれた永久花を揺らす

ぱらぱらと一緒に捲れたノートには、書き溜めたウタ達

時折見返しては、書いた時の情景を思い出してみたりする

きっとそれが自分にとってとウタ

衝動的で感情的で、けれど、静かに秘めたモノであったり、ありったけの力で喉を震わせたモノであったり

ああ、やっぱりなにかカタチにしてみようかな

窓を半分だけ締めて、もう一度椅子に腰掛けて、白紙のページを眺めてみる

けれどその日は、やっぱり筆記具が動くことは無かった

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